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ゼタビットて!・・・(承前)

■歌舞伎、講談、シェイクスピアなどの作品を、漫才やコントの題材にする・・・現代ではちょっと考えられない話です。恥ずかしながら僕も、曽我物語やハムレットのあらすじは話せません■簡単に云ってしまえば、時代が下がるにつれて流通する情報の量、一人の人間が処理していかなければならない情報の量が飛躍的に増大してきた。その情報の大海の中で、個人それぞれに記憶に残る番組や音楽や小説やマンガがあり、世代や境遇を同じくしない限りそれらの共通体験を持ちにくい。その上『古典』と呼ばれるジャンルまではとても手が回らない・・・ということなのでしょう■どんなに景気が悪くても、流通する情報の量はウナギ上りです。いやウナギなどというアナログな表現ではとても支えきれない情報爆発の時代です■ではさて、その情報量の増加という現象を、例えばGDPの変化のように数値で表現することが出来るのでしょうか?・・・いやぁ、日本の官庁はすごい!これがちゃんと行われてるんですねー■総務省の『平成18年度情報流通センサス報告書』というリポートがあります。センサスっていうのは国勢調査ですから、つまり日本でどんな情報がどれだけ流れているかの、国による調査報告書ですね。それによると、平成18年度(2006年度)に《テレビ、ラジオ、書籍、ネットなどを通じて消費者が選択可能な形で提供された情報量》=『選択可能情報量』は、10年前(平成8年度・1996年度)の、530倍!だったそうです。わお■情報量の計量化(活字、電波、ネット全部ひっくるめて)なんてどう考えてもむちゃくちゃ難しい作業ですが、この驚くべき増加率は、『情報氾濫時代』の象徴としていろんなところで紹介されたようです■その後、この計量の方法や指標については再検討が加えられ、変化するメディア状況に合致させるべく改正されました。その結果、昨年出された『情報流通インデックス研究会報告書』によると、こんなことになっているそうです。

平成19年度の  流通情報量は 5.99×10の21乗 ビット(約6ゼタビット)

          消費情報量は 2.96×10の17乗 ビット(約300ペタビット)

                (1ゼタビット=100万ペタビット=10億テラビット)

■簡単いうと、《流通情報量》は日本中に1年間に(垂れ)流されている情報量。 《消費情報量》は実際に人に認知された情報量。

■これね、計算方法が面白い。消費情報量の計算でいうと、

  ・本とかネットとか、目から入ってくる視覚情報は一律、      223bps

  ・ラジオ、電話、音楽など聴覚情報は一律、              105bps

  ・テレビやゲームなどは視覚・聴覚両方なので、  223+108=328bps

■この基礎数値の設定には認知心理学の知見が根拠とされているとのことで、その点も興味深いのですが、つまり、1人の人間はテレビから1秒間に328ビットの情報を認知する。これに、日本人全員(5歳以上)の1年間のテレビ総視聴時間を掛けると、日本における1年間の《消費情報量テレビ部門》が算出される、ということですね。こうやって、あらゆる媒体の情報量を合計して研究リポートをまとめるわけなんですが・・・■なんだかパロディについて考えるよりも、この研究の仕組みの方が面白くなってきました・・・(艦長@ちょっとおヒマ)

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2010年06月09日水曜日
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