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2009年11月11日

タイムリミット・サスペンスかよ!?

■ある東京のラジオ番組を例によってpodcastで聴いていたんです■日替わりゲストとのトークコーナーがこの番組の大きな柱です。映画のプロモーションでやってきたその日のゲストの俳優さんとメインパーソナリティの方は、かつてデビューしたての新人同士として出会い、以後もお互い数十年の芸能生活の中で幾度か接点があって、懐かしい思い出話に花が咲いたのです。時代の先端を走り続ける二人のエピソードがそれぞれその時の文化状況を映し出し、笑いと驚きに満ちて、それは素敵な二十数分のトークだったわけです・・・ゲストがその来訪の主目的である映画の紹介に入るまでは■いや別に、そういういわゆるプロモーション的な出演がどうこうと云ってるわけでは決してありません。映画や音楽や舞台や番組のパブリシティ活動の一環として、魅力的なタレントさんがテレビやラジオの番組にゲスト出演して中身を大いに盛り上げ、ちょこっと新曲や主演映画の紹介をして帰る・・・っていう形の出演は、(まあ余りに露骨過ぎると、なんだかな...ってこともないではないですが)昔からずっと行われてきた放送と他メディアの共生関係の一環、つまり『持ちつ持たれつ』で、今後も行われることでしょう。要はその出演部分全体が楽しければOKなわけです■でね、メインパーソナリティの方がコーナー終盤でいよいよ本題の質問に入り、ゲストが答えたのです・・・

『で、どんな映画なんですか?』

『余命半年の・・・』

■■■・・・僕の気分は一瞬にして奈落の底です。この先は覚えていません。また!?あなたまで!?・・・もういい加減そういうお話作りはやめましょうよ!■この方の名誉のために申し添えますが、彼はこの作品の監督でもプロデューサーでもなく一俳優としてオファーを受けられたわけで、僕からこんなこと言われる筋合いは皆無です。申し訳ありません。でも番組のここまでがあまりに楽しかったんでね、僕の気持ちの高低差がすごかったんですよ。

■ここはいちシロートとして云わせてください!主要登場人物に『難病で余命いくばくもない』という設定を作って、その人の死に向かって物語を作るっていうの、そろそろ禁止しません?いや、それは言い過ぎだとしても、僕は好きになれないなぁ。命を弄んでるような気がして仕方がない。(艦長)

どうなんでしょうか?

世の中の出来事っていうのは、「当分なにもないだろう」と思っていることでも急転直下的に動くことがあるのですね。というのは昨日、会社を出たすぐのところで1年先輩の方とバッタリ出くわしまして、とりあえず帰りの電車に乗ったのですが、会話が私の関心のある話題になってきたので「ちょっと一杯いきませんか?」と途中駅で寄り道して21時過ぎに帰宅すると、号外が発行されるレベルの大ニュースが2つ起こっていました。サラリーマンの愚にもつかないウダウダ話をしている間に、世の中は動いていたのですね。テレビも緊急編成だったりして、なんだか少し取り残された感じがしました。森繁さんについては、きっと艦長からコメントがあると思いますのでお任せするとして、私は全く違うことを書きたいと思います。

最近頻繁にニュースに出てくる「事業仕分け」というのが、どうも気になります。(決して気にくわないというわけではないのですが・・・。理念には賛成します。)別名「行政のムダ削減」「ムダ撲滅」ともいわれます。まあ平たく言ってしまうと、「今まではお金があったからできとったけど、これからはそうはいかんからやめさせてもらいます。でも全部やめるわけにはいかんから、ムダだと思われるものはやめます。」ということなのでしょうが、どのようにして「ムダ」と決めるのでしょうか?

「売上が伸びないから、経費を削減しろ。」世間でもこの1~2年の間にやってきていると思います。経費の削減には、①一律カット②特定項目を重点的にカット、の2通りあると思います。①は公平でわかりやすいですが、成長分野の経費も結果的にカットしてしまうことがあります。②は作業が大変ですが、不要経費を効率的に削減できれば最大限の効果を得ることができるでしょう。

賢明な読者の皆様に偉そうなことを言ってしまいましてすみません。何が言いたいかというと、「ムダを削減するのは、ムダと判断する基準、大多数が納得する基準を示すのが難しい」ということです。前述の「事業仕分け」ですが、いま対象になっているのは、官僚の天下り先の独立行政法人への補助金の見直し、公共事業・文化事業予算の削減が多いと思います。日本は景気対策といって、ハコモノをたくさん作ってきました。ダム・道路・空港も作りましたが、日本各地にはたいへん立派な公共の会館・ホールも建設されました。(ABCホールは朝日放送が自前でつくりました、念のため。)せっかくホールを建てたのだからということで、コンサートや演劇を開催する。これが財政の負担になる。極端な話、会館・ホールを全て壊してしまって、全てのコンサートや演劇をやめてしまえば財政はよくなるでしょうが、それでよいのでしょうか。

おかげさまで、ABCホールも連日、演劇・落語・試写会などを開催させていただいています。常時全ての人が文化事業のメリットを享受できてきているわけではありませんが、その気になればいつでも、身近に接することができる環境を作ることが「生活の質」を維持することにつながるのでないでしょうか。もちろん、「事業仕分け」は「何かをやめる、あきらめる」結果として「誰かが不利益を受ける」ことなのですから、「生活の質」を維持するなんて甘いことを言ってる場合ではないのでしょうが・・・。だからこそ「公平な観点から、公正な判断が求められる」と思います。

偉そうなことを言っている私もこれから懐が寂しくなりそうなので、生活の「事業仕分け」をしようと思います。まず第一に、会社の同僚と途中下車してまで飲みに行くのは、時間とお金のムダなので今後廃止することにします。

(乗組員・F)

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