スタッフブログ
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スタッフの雑記

今なら差し詰め、『レジェンド』、ですか。

劇団Patch第4回公演『破壊ランナー』、ABCホールでまもなくです。3月6日(木)から9日(日)まで、全6公演。すでにSOLD OUTの回もいくつかあるようです。お急ぎください■実はこの週、つまり3月の2回目の週末に向けての数日間、大阪では注目の演劇公演がたくさんあって困るのです。Patchの他に主だったものとしては、メイシアタープロデュース『グッド・バイ』(3/6-9)、近鉄アート館"復活"オープニングシリーズ『一郎ちゃんがいく。』(3/5-9)、キューブ『PACO』(3/6-9・シアター・ドラマシティ)、MONO『のぞき穴、哀愁』(3/6-12・HEP HALL)・・・その他にも多数。うーむ。どうしてこう集中するかなあ。一郎ちゃん、PACO、破壊ランナーはいずれも"伝説の"という枕詞がつく名作です。熟練の劇団メンバーに新進女優がぶつかるMONOの新作も、太宰の未完の遺作を山崎彬が舞台化するグッド・バイも無論はずせない。

■さてそんな中先日、僕は『破壊ランナー』の稽古場見学をして参りました。惑星ピスタチオ、"伝説の"代表作。ピスタチオは1989年結成、1990年に旗揚げ公演を行い、2000年に解散。わかりやすい。文字通り、90年代を駆け抜けた"伝説の"劇団です。ピーク時の動員は20000人に達したと云われ、これは夢の遊眠社や第三舞台などにも全く引けを取らない数字です■てなことを知った風に書いていますが、僕、実はピスタチオの生の舞台を観たことがありません。90年代というのは僕の30代後半から40代前半にあたりまして、これは一般に働き盛り、または働かされ盛りというやつで、僕の場合も例外ではなく、毎晩遅くまで仕事して休日は家で寝るだけ。TV番組を通じてPiperの黎明期に関わったり、東京から来た遊眠社などを観に行く以外、あまり劇場に足を運ばない生活を送っていたのです。最近は休みの日なんぞ、1時間ほど自転車漕いで町の反対側にある小さな小屋に出かけたりしますから、今の方がよほど元気です。あーしかし年のせいか自分語りが長くなる。いかんいかん。『破壊ランナー』の話■今回、うちのホールで公演があり、またラジオで紹介させていただくにあたって、惑星ピスタチオが上演した本作の映像(1995版)を初めて見せていただいたのですが・・・いや何というか、これは演劇というより別の何かですね。いや演劇は演劇なんだけど、表現方法が他の集団のそれと比べてあまりに特異です。無論いい意味でです。目的を達成するための方法論が実に明確だと感じました■目的とは私見ですが恐らく、これまでの演劇にないスピード感、同時代性、ダイナミックな視覚効果、です。そして恐らくこれらの実現のために編み出されたのが、以下のようなピスタチオ独自の演出技法です■①1人の俳優が複数の役を演じるお芝居はよくありますが、その極端な手法として、主役脇役問わず全ての俳優が舞台上で役柄を瞬時にチェンジして何人もの別の人物を演じる、『スイッチプレイ』。②機関銃のように繰り出される説明台詞、擬音語、擬態語と漫画的マイムで状況を実演する、『パワーマイム』。③俳優が素早くスムーズな移動で位置関係を変化させ、ロングからアップへ、縦ショットから横ショットへ、など、観客にまるで様々なアングルで撮影された映像を観ているように感じさせてしまう、『カメラワーク』■・・・これらはかつて、惑星ピスタチオの座付作家・演出家だった西田シャトナー氏と劇団メンバーの研究で編み出されたものです。今回Patch版『破壊ランナー』の潤色・演出を務めるご存知末満健一氏も、当時メンバーとして体験しています。勿論、シャトナー演出完コピ、などということを末満氏が試みる筈もなく、出演者や時代の変化に合わせた末満流の改変が加えられているのですが、彼が正統を継ぐ者であることは間違いない。そして更に注目すべきことに、今公演には惑星ピスタチオ全盛期を支えた2人の俳優、保村大和さん、遠坂百合子さんが参加するのです。かつてのファンには堪らない趣向ではないでしょうか■出演する俳優は、Patchメンバー11人に加え、保村、遠坂、そして山浦徹さんという3人のゲスト、全部で14人です。しかし、劇中に登場するキャラクターは、正確には誰にも分からないと思いますが恐らく100人以上。つまり、スイッチプレイ全開モードです!ひとたび芝居が始まったら、俳優たち各々が、数え切れないキャラクターを切れ目なく演じ分けねばなりません。暗転も、衣装替えもなく、舞台上を常にカメラの代わりに駆けずり回りながら!・・・わ。大変そう■そうでなくてもですね、この『破壊ランナー』、元々が大変な運動量の芝居なのです。何せ、生身の人間が音速の1.7倍、F1マシンの十倍近い速さで走るという。そんな未来のスポーツ『ソニック・ラン』に命を懸ける男たちの戦いの物語なんですから。超音速で走ることを体得した人類、そのフォームとは一体どんなものなのか?もちろん実際に走るわけにはいかないのでソニック・ランのフォームを表現するカッコイイ動きがあるんですが、これが滅茶苦茶俳優の体を酷使する。前屈みに姿勢を低くし、摺り足で、後方に大きく蹴るように片足を延ばす。元に戻して今度は反対の足・・・言葉で書くとこんな感じかなと思うのですが、想像以上に大変らしいです■『OLIVER BOYS』、『岩窟少年』、『白浪クインテット』と、これまでの3回の本公演、全く趣向の異なる演劇作品に挑戦してきた劇団Patchですが、今回が、肉体的には間違いなく断トツハードでしょう。ま、若いのだから今が頑張り時だよね、とおじさんは無責任に楽しませていただきます■しつこいですがチケットまだの方はお早めに!(艦長)

■そうそう、今朝の朝ドラ「ごちそうさん」に楠見薫さんが出演されていました。劇団Patchの中山君演じる諸岡弘士のお母さん役で。楠見さんのダンナ様は後藤ひろひと氏(上記、爆笑&号泣の名作「PACO」の作者)なので、つまり、大王と中山君は義理の?父子だったというわけです。

初日! ...それとちょっと別件

ピースピット『れみぜやん』、本日初日。今日も朝から絶賛お稽古中です。皆さん、お昼ご飯食べる間あるのかしら...。開演1時間前まで電話で予約受付中とのことなので、思い立ったら即、行っときましょう!実は僕もついこの間知ったのですが、ピースピットはこの『れみぜやん』を最後に、一旦活動を休止されるそうです。これは余計観とかなきゃ!ですね。ちなみに上演時間は休憩込みで3時間の予定。見ごたえあるー!

■さて、昨日(水曜)は、ABCラジオ『浦川泰幸の劇場に行こう!』の録音日。演劇コーナーに、ゲストとして大王こと後藤ひろひと氏にお越しいただきました。 IMG_2873.JPG大王は最近矢野・兵動の兵動さんと『劇団ひろひょう』という実に分かり易い名前の劇団を立ち上げました。その第1回公演が、来週1月28日(火)、29日(水)、30日(木)の3日間、インディペンデントシアター2ndであるのです。作品は『荒波次郎』。1997年に大王が今はなきOMS(扇町ミュージアムスクエア)での公演のために書き下ろした、僕思うに幻の傑作。ハードボイルド群像バカコメディです■出演は、ひろひょうの2人と川下大洋さん、へびいちご島川さんの他は、吉本の超若手芸人たち。いずれも兵動さんの秘蔵っ子で、ポテンシャルはすごいらしい。長老・大洋さんは初演時から変わらず「芋宮殿みつる」という名前の"若手"刑事役なのですが、これ、川下大洋史上でも当たり役のひとつなんじゃないかと思いますよ。こちらも是非!(艦長)

※写真は、大王と劇団Patchの中山義紘君。この日初対面だったのですが、2人は不思議な縁で結ばれていることが判明しました。詳しい事情はあと数日ヒミツ。ヒントは「びーけー」です。

「れみぜやん」あさってから!

■今朝、毎日通勤に使っている電車のダイヤが乱れていました。「○○駅で人身事故」とのアナウンス。またか...。ちょっと暗くなります。年末に新設されたばかりの真新しい駅です。ネットのニュースで確認したところ、ホームにいた男性が自ら線路に降り、はねられたのこと。あゝ■さて、いつもより時間が早かったのと遅延の影響で、僕が乗り込んだ車内は相当混んでいました。僕は、なるべく他の方の乗降の邪魔にならないよう、車両中央近くの奥まった場所で立っていました。ところがその僕を、かなり強引に押しのけて移動する男性がいます。30歳くらいのサラリーマン。何するねんと横目で見ると、彼は僕の隣にスペースを確保するや否や、文庫本を開いて熱心に読み耽っている。書店のカバーがかかっているので題名は分からないのですが、中身は結構よく見える。興味本位で覗いてみると、本文中に太字で踊っている文がみんな強烈なんです!■「成功は成功の母」、「条件反射で成功に導く」、「成功のソフトウェアを脳にインストールする」・・・自己啓発書っていうんでしょうか、この種の本を読んだことがないのでとても新鮮だったのですが、めくってもめくっても、各ページに数限りなく『成功』という言葉が使われ、恐らくは全編200ページ強にわたってほぼひとつのことが書かれている。すごい。ついさっき人生から降りた人がいた線路の上を、必死に成功しようとしている人を乗せた電車が疾走していく...。なんだかな。どんよりしたエピソードですみません。春よ、こい。です。

さて!

ピースピット『れみぜやん』チーム、今朝小屋入りされ、あさって(木)初日です■『れみぜやん』。原作は、ヴィクトル・ユゴーの「レ・ミゼラブル」。確か僕が通っていた小学校の図書館に、「あゝ無情」という題名で少年少女向けのダイジェスト版が置いてありました。それと、2012年の末に公開され大評判になったミュージカル映画。この二つが僕のレミゼ体験の全てです。あの豪華な舞台版ミュージカルも拝見したことがない。立派な劇場に行くとなんだか落ち着かないんですよね。大好き!小劇場!!...はは。僕のことはどうでもいい■ゴシックなファンタジー、スタイリッシュなノワール、パンクな江戸コメディ・・・毎回全く異なる世界を描いて観客を魅了する末満健一氏が、今回は昭和中期の大阪の下町に『レミゼ』を持ち込みました。過激な共和革命の後、ナポレオンの登場と没落を経て王政が復活...大混乱していた19世紀のフランスから、高度成長期に差し掛かり脂ぎったエネルギーに満ち溢れていた大阪へ。ワクワクするワープです。役柄も役名も、原作との絶妙な距離感で描かれています■そして、僕がいちばん感心してしまったのは、『れみぜやん』の世界には、西洋の文豪が著した『レ・ミゼラブル』という小説が存在することです。単なる時代と場所の置き換えではない。『れみぜやん』の登場人物(の一部)は、『レ・ミゼラブル』の登場人物と自らの類似性を自覚し、先行する物語の成り行きを否応なく意識してしまう。その共鳴や反発がもたらすメタフィクション的な展開が演劇的で素晴らしいと思います■また、ピースピットではしばしば行われる趣向ですが、今回公演でも、ベーシックな配役の『トゥルースキャスト』、対になる役のキャストを入れ替えた『リバースキャスト』、まぜこぜにした『マーブルキャスト』の計3バージョンを準備。なんという手間のかかることをするのかと感心してしまいますが、木曜から月曜まで全部で7ステ、お見逃しなく!(艦長)

ピースピット『れみぜやん』 原作:ヴィクトル・ユゴー  脚本/演出:末満健一

れみぜやん.jpg1月23日(木)        19:00・T

   24日(金)        19:00・R

   25日(土) 14:00・T  19:00・R

   26日(日) 12:00・M 17:00・R

   27日(月)        17:00・T

T・トゥルースキャスト

R・リバースキャスト

M・マーブルキャスト

※希望回の前日23:59までウェブ予約可能

※希望回の開演1時間前まで電話予約可能:090-8536-5375(LOTUS)

※当日券は開演45分前より発売

  

 

2014年1月9日・記

■そんなわけで、ABCホールは来週から本格稼働。今週はわりとのんびり過ごしております。明後日からの三連休も、日曜に「ABCお笑いグランプリ」の準決勝が開催されるだけ。寒いけど、笑いに来ようかな■前にも少し書いたような気がするのですが、このグランプリの前身となるのが「ABC漫才・落語新人コンクール」という大会で、僕(艦長)が入社した年に、朝日放送創立30周年記念事業として始まりました。その第1回大会の予選会が開かれたのは、1979年の年末、大淀のABCホールにおいて。新入社員の僕はフロアディレクターを務めていたのですが、途中でちょっとした事件が起こりました。ある出場漫才コンビが、入り時間になっても来ないのです。このコンビは当時すでに売れ始めており、その日も予選会の前に遠方の「営業」の仕事が入っていて、それが押してしまって遅刻する、という連絡が直前に入ったというわけです■演技の順番は事前に抽選で決まっています。お笑いコンテストにおいて出番順が審査結果に大きな影響を及ぼすのはこの当時でも周知の事実。しかし、失格というのも酷だという話になり、やむなく、出場している他の芸人さんのマネージャー陣、会場のお客様の了解のもと、出番を一番最後に変更することになりました■何とかトリには間に合ったそのコンビは、プレッシャーをものともせず精一杯の演技で予選を突破。その勢いで決勝大会でも見事「審査員奨励賞」を獲得してしまいました。そのコンビが、当時『女流アイドル漫才』などというキャッチフレーズで売り出し中だった、海原さおり・しおりだったのです。ちなみにこの第1回大会の漫才の部で優勝したのは、前田一球・写楽のご両人。なんだか大昔の話ですね■さおり・しおりは、女流漫才には珍しく、その後2人とも結婚・子育てという道を歩んだため、ある時期からメディアで目にする機会はめっきり減りました。しかし80年代は、漫才ブームも到来し、また(ちょっと表現に気を遣いますが)「可愛い女性お笑い芸人」がまだ大変珍しい時代で、さおり・しおりはテレビ・ラジオで重宝され、大活躍をしていたのです。僕もその頃、よく一緒に旅のロケに行ったり、先輩と共にカラオケで大騒ぎしたり、彼女らとはほぼ同い年だったこともあって仲良くしていました■そのコンビの小柄なボケ役、海原しおりさんが1月3日に亡くなりました。やしきたかじんさんと同じ日です。たかじんさんには実に多くの著名人が追悼の言葉を述べられています。僕もたかじんさんを知らないわけではありませんが、番組の打ち合わせ以外で2人で話し合った経験は残念ながら一度しかないので(お茶を飲みながらある共通の愚痴で意気投合しました。それはそれで思い出深いのですが・・・)、しおりちゃんの話をします■とても悔しいのは、インターネットというものが出来た頃にはあまりメディアに登場しなくなったため、今、画像検索をして出てくる彼女の姿がオバちゃんになってからのものばかりだというところ。もちろん面影は残っていますが、若い頃は本当に可愛かったんです!告別式の会場の片隅に、若かりし日の写真がたくさん飾ってあるのを見つけ、目頭が熱くなりました。僕がADをしているロケの写真もありました■そういえば、ここ数日テレビのワイドショーを見ていて分かるのが、たかじんさんの過去映像はよみうりテレビが圧倒的に多彩で豊富だということ。それはまあ予想がつくのですが、海原さおり・しおりに関しても同様にYTVの圧勝でした。「お笑いネットワーク」という名番組のアーカイブの賜物ですね。20代のさおり・しおりの溌剌、キュートな漫才のハイライトを久しぶりに確認することが出来ました。ありがとう、ネットワーク!■昨年秋には、かつて僕と一緒にテレビの演芸番組、情報番組をたくさん作ってきた、ABCの市川寿憲プロデューサーが亡くなりました。上方の古典芸能に対する愛情と造詣の深さがものすごい後輩で、新聞記事にもなりましたからご存知の方もおられると思います。市川君もたかじんさんもしおりちゃんも、そして一昨年世を去った牧野エミさんも・・・これからまだまだ、という歳の人間をこの世から奪い去ってしまったのは全てガンです■以前、科学情報番組を担当していた時に教えてもらったことがあります。ガン細胞は、遺伝子のコピーミスから生まれる。人間の体も一種の機械である以上、コピーミスの発生確率は絶対ゼロにはならない。生きていれば人間はいつかはガンにかかる。つまり、ガンで死ぬか、それまでに他の病気で死ぬかなのだと。なるほどです。しかし、「だから・・・」、と何か悟りを得られるほど僕は出来た人間ではありません。天は、時に残酷です。

たかじんさん、しおりさん、謹んでご冥福をお祈り致します■(艦長)

あけましておめでとうございます!

旧年中は大変お世話になりました。

ABCホールも世の中同様今日が仕事始め。朝日放送の新年祝詞会が先ほど行われました。ABCテレビは2013年の視聴率が何部門も一等賞を獲得したとのことで、お目出度い限りです。この勢い、ABCホールにも乗り移るといいですね。うちのホールで上演すると、同じ演目でも面白さが何パーかアップするとかね。はは。申し訳ありません、さっきちょっと新年の祝い酒をいただいてしまって。ともあれ、良い年にしましょう!

本年も変わらず御愛顧賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

2013年仕事納めの日曜です。ありがとうございました!

■2013年が終わろうとしています。今年もABCホールはたくさんの人にお越しいただきました。本当にありがとうございました。皆さんは、今年ここで、または他のどこかの劇場ででもいいんですけど、いくつ素敵なものに出会えましたが?■演劇、映画、舞踊、演芸、美術、スポーツ・・・どんな分野でも、人は人が創造した優れた表現に出会うと、『よっしゃあ!』って、すごく精神が活性化します。誰しもそんな経験ありますよね。天邪鬼な僕は、最近巷でよく使われている「勇気をもらう」とか「感動をありがとう」とか、主体性のない紋切り型の言い回しが好きではないのですが(あーオリンピックが近づいて何がイヤって街頭インタビューなどでこういう言葉が頻出することです)、つまり、そういうことです。現象としては同じことやんか、と突っ込まれれば反論に困ってしまう■劇場という場が素敵なのは、生の迫力という部分とは別に、そういう『活性化』を多くの人と共有出来ることです。素晴らしい作品を観終わった後、同じ体験を共有した数百数千の人々が一つの出口に向かってぞろぞろ歩くひと時の、あの幸福な一体感。各人が心に受けた刺激は無言のうちに周囲の人のそれと共鳴し、散り散りになった後は、それぞれが今得た体験について家族、友人、恋人と語り合う。劇場というのは幸福や活力の増幅装置なんだと思います■長々と、至極当たり前のことを書いただけのような気もしますが、ABCホールは来年もこんな感じで頑張ります。GWには恒例の文化祭、夏にはめっちゃ楽しい企画を考え中です。

どうぞ2014年も、よろしくお願い申し上げます。それでは皆様よいお年を!■あー年賀状どうすっかな(艦長)

 

劇団赤鬼、あす初日!

劇団赤鬼さん、今朝小屋入りされまして、2013クリスマス公演『拝啓 ライトフライヤー号!』の初日を、明日迎えます■今日は朝から大きなニュースが飛び込んできています。昨日から報じられていたとはいえ、猪瀬直樹都知事の辞表提出、そして「餃子の王将」社長の銃撃による死亡です。まだ報道が始まって間もなく、詳細は分かりませんが、日頃消費者としてお世話になっている企業の社長が...と思うと衝撃も一段と強いものがあります。関西庶民のソウルフード、だからなあ■心がざわざわする朝ですが、赤鬼の面々はいつもの通り元気に、そして粛々と仕込み作業の真っ最中です『神戸から飛び出したホットプレゼンターズ』としては、こんな世の中だからこそ一層頑張ってもらわなくては■当ホールでの赤鬼のクリスマス公演も早3回目、『拝啓 ライトフライヤー号!』の舞台は、数か月後に「閉島」を迎える過疎の島です。この島の少女たちが島の思い出を形に残そうとアルバム作りを進める中で、一人の偏屈な爺さんに出会います。ゴミ屋敷に住むこの老人の過去が次第に明らかになってゆき、観客はその意外な人生に、深く心を動かされてゆくのす。劇団の中心人物である川浪ナミヲさんによると、この作品は人の人生を振り返り、その『生きざま』に共感する、『お通夜のような演劇』、だとのこと。なるほど、お通夜って悲しい場ではあるけれど、確かにそんな側面がある。妙に癒されたりもする。さすが、上手いこと云わはります■さて、老人は犬を1匹飼っています。お芝居ですから、この犬が喋ります。喋るどころか、どうやら物語のあちこちで観客にストーリーの補足説明をする、いわゆる『狂言回し』をつとめるのです。この役を、つまり犬を座長の行澤孝さん演じるというのがなんだか赤鬼っぽい。その他いつものベテラン陣に加え、わずか18歳の新人女優クンもこの公演でデビューするそうです。昨年このホールで生まれた作品、『目頭を押さえた』の三重・東京公演で頑張って女子高校生役を演じ、先日ようやく本拠に帰ってきた橋爪未萠里嬢(25)も刺激を受けることでしょう■千秋楽、12月23日(月・祝)の上演終了後には恒例のクリスマスイベントもあり!また、ABCホール周辺は既報のとおり、ラバーダック、夜の噴水&イルミネーション、ご当地カレー大集合イベント『CURRY X'mas ABC』(12/21-25)など、楽しい企画がいっぱいです■是非是非、この週末は何かと楽しいABCホールへ!(艦長)

劇団赤鬼 『拝啓 ライトフライヤー号!』

拝啓ライトフライヤー.jpg12月20日(金)         19:30

        21日(土)    13:00  17:00

        22日(日)    13:00 17:00

    23日(月・祝)  13:00★

※当日券は開演1時間前から発売

★終演後、クリスマスイベントあり

エミちゃん祭りのこと

■大盛況に終わった一昨日の『エミちゃん祭り』のことを僕も少し■いま目の前の予定表を見て改めて驚いたのですが、11/18のこの催しの前にABCホールで行われた演劇公演は、プロペラ犬(11/11-14)とカムカムミニキーナ(11/16-17)。これから控えているのは、山田ジャパン(11/21-24)、イキウメ(11/29-12/1)、そして小林賢太郎演劇作品(12/2-15)。つまり『エミちゃん祭り』は1か月以上続く東京のカンパニーのお芝居たちに挟まれているんです■牧野エミさんは、今回の一周忌イベントの呼びかけ人である升毅さんたちと立ちあげた演劇ユニット・売名行為を皮切りに、MOTHER、タニマチ金魚という集団で活動を続けてこられました。一方、請われて出演した他の団体の舞台も無数。80年代から90年代にかけて、まさに関西小劇場界の看板女優だったのです。多くの作品が東京でも上演され、関西演劇ここにあり、と当時強烈な存在感を誇っていました■その彼女を偲んで、『エミちゃん祭り』にはすごいメンバーが、いや本当にすごいメンバーが大集結しました。演劇人だけに絞っても、浅野彰一、粟根まこと、川下大洋、北村守、楠見薫、国木田かっぱ、久野麻子、久保田浩、後藤ひろひと、コング桑田、関秀人、立原啓裕、土田英生、中道裕子、東野ひろあき、升毅、桝野幸宏、松尾貴史、宮吉康夫、わかぎゑふ(別に順番で文句いう方はいないと思いますが便宜上50音順)・・・。これだけの人々が一堂に会することは絶対にない、と誰もが口々に云いました。幕の内側でもエミさんがどれだけ愛され、慕われていたかの証拠です■現在は東京に活動拠点を移しておられる方もいますが、このうち半分でも揃えば、大評判間違いなしのすごい舞台が作れるのにな、なんて僕以外にも何人もの人が思ったんじゃないでしょうか。作家、演出家、看板役者、どんだけおるねん!■で、先の現状に戻るわけですが、東京の皆さんにバンバン来ていただいて、ABCホールとしては本当に本当に有難い限りなのです。でも先輩方に負けないよう、関西も頑張らにゃいかんな、とひっそり思う次第■若くして天国にデビューしてしまったエミさんのためにも(艦長)

Patch→Dステ

■劇団Patch第3回公演『白浪クインテット』、おととい無事全7回の舞台を終えました■アクション、ダンス、歌と盛りだくさんのエンターテインメントだっただけに、スタッフ・キャストに大きなケガが無かっただけでも大きな喜びです。特に大人数での立ち回りシーンがいっぱいありましたからね■多くのファン、関係者も楽しみにしていた次回公演の発表もありました。『破壊ランナー』。1990年代の日本演劇界を駆け抜けた大人気劇団、惑星ピスタチオの代表作!演出は、惑星ピスタチオ出身、末満健一氏(ピースピット主宰)。いわば、監督続投です!■2年目に突入した劇団Patchが、自分たちが生まれた頃に初上演された作品にどう立ち向かうのか!?、また、自らが若手劇団員時代に関わった伝説の名作を、末満健一はどう蘇らせるのか!?・・・興味は尽きません。などと云いながら、艦長、90年代は仕事が忙しく、また小劇場演劇に若干屈折した感情を持っていた時期で、『破壊ランナー』はもちろん、惑星ピスタチオの舞台そのものをチラ見した程度にしか知らないのです。情けない。これから情報収集に努めたいと思います■さて、明日からABCホールでは、劇団Patchの東京の兄貴分による、シェイクスピアの名作喜劇の上演です。Dステ14th『十二夜』■瓜二つの兄妹が生き別れになる。妹は身を守るために男装する。・・・この二つの設定のもと、やたら惚れっぽい男女が入り乱れ、女が女に恋をしたり、うっかり見ず知らずの人物に求婚したり。つまり、今なお世界中で作られ続けている『勘違いの喜劇』の原点、教科書のような作品です。しかも、性別の混乱がキーポイントであるこの劇を、今回オールメール、つまり全員男性キャストで上演するというのですからややこしい。イケメン男優が女装して女性として登場し、更に劇中で男装するという...。もっとも、歌舞伎同様シェイクスピア時代の俳優は全員男性だったそうですから、正調の演出と云えるのかもしれません■とにかく楽しみな舞台です(艦長)

Dステ 『十二夜』 原作:W・シェイクスピア  翻訳:松岡和子  演出・上演台本:青木豪

10月17日(木)      19:00    

    18日(金) 14:30 19:00     

    19日(土) 13:30 18:00        

    20日(日) 12:00 17:00      

※10/18(金)14:30の回以外、前売り券は完売しています。

※当日券は各回開演90分前より発売。その時点で希望者数が発券枚数を超える場合は、抽選となります。

十二夜.jpg

 

秋本番

■いよいよ10月です。「あまちゃん」も「半沢直樹」も終わっちゃって淋しいとお嘆きのみなさん(僕もややあまロスですけど)。劇場があります。ABCホールがあります。10月から12月まで、ABCホールはほとんど休みがゼロの状態で、演劇を中心に公演が目白押しです■まず、10/4(金)~6(日)がおなじみスクエアの『誉め兄弟』。10/11(金)~14(祝)は劇団Patch一周年記念公演『白浪クインテット』。10/17(木)~20(日)がDステ『十二夜』。21(月)には当ホール2回目となる『山里亮太の140』(前売完売)。10/26(土)-27(日)劇団銀河『恋文』。・・・11月も記そうと思いましたが、大変なのでまた次回■今朝、『浦川康幸の劇場に行こう!』の録音がありまして、特別ゲストとして伊藤えん魔さんに来ていただき、ゲスト出演するPatch『白浪クインテット』のこと、来月早々に控える伊藤えん魔プロデュース『CHESS』のこと、たっぷり語っていただきました。現在Patchの面々を日々鍛えまくっている演出家・末満健一氏のエピソードが特に興味深かったですね。かつての大人気劇団、惑星ピスタチオに半ば強引に入団した若き日の末満健一氏。新人時代に彼が佐々木蔵之介さんを始めとするピスタチオの先輩から受けた厳しい指導に比べれば、今のPatchの苦労なんて何でもない、と。十数年の時を隔てる両方の稽古場に、いずれも客演として立ち会っているえん魔さんのお話、説得力抜群でした。いやー僕より一回り近くお若いはずのえん魔さんですが、関西小劇場界の生ける歴史ですね、さすが。放送はもちろん1008khz・ABCラジオで今度の日曜、10月6日(日)21:05から■明日はいよいよスクエアさん小屋入りです!(艦長) IMG_2680[1].JPG

収録を終えた6人

前列左から中山義紘(P)、村川剄剛(P) 後列左から浦川康幸アナ、杞山星璃(P)、岩崎真吾(P)、伊藤えん魔  ※P=劇団Patch

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